曖昧な僕ら




国語の時間は、ヒマだ。


こんな事しなくたって、テストでいい点とれるのに、と思うし、まず、先生が嫌いだ。


ひたすらつまんない。


目的もないまま、ぐるっと教室を見渡してみる。


ガリガリノートとってる人。


友達に手紙書いてる人。


おしゃべりしてる人。


寝てる人。


だいたい、うちのクラスはみんな国語嫌いだからまじめに受ける人は少ない。


でもそんな中、誰とも違う事をしてる人がいた。









山城くんだ。









この人はにぎやかで、カッコ良くて、クラスの中心的な存在で、少し、苦手だった。


そんな人が誰とも話をしたりせず、私のように、ただただみんなを観察している。














と、




目があう。


その瞬間、私の鼓動が驚くべきスピードで鳴った。


視線は交わったまま、そらせない。


ドクドクドクドクドクドクドク


山城くんはきょとん、としていった。








「なに?」








もちろん口パクだったけれど。私も口パクで答える。


「あの、人間観察。」


ドクドクドクドクドクドクドク


「俺も一緒。気があうね。」


少し赤くなって、山城君は笑った。私も、つられて笑った。


その笑顔が、しばらく頭から離れなかった。


今でも不思議なんだけど、


あれだけで、私達は始まった。






FIN



..................................................................
ホント国語の時間書いてましたよ。
国語の先生大嫌いだったんです。
テーマは、『出逢い』照
この2人はいろいろ活躍です。






ブラウザを閉じてください。



55 STREET / 0574 W.S.R / STRAWBERRY7 / アレコレネット / モノショップ / ミツケルドット